台風明けの猛暑。
いよいよ夏がやってきますなぁ。
先日新たなスリップマットを思いついて早速某業者に見積り取ってもらってたんですが、結果とんでもない金額になってしまったのであえなく断念。。。
まぁ、よくある事ですが。
モノづくりはあれこれ考えてる時間が一番楽しいなといつも思います。
BBQ LiveのVer.2製作に注力してると先週書きましたが、実際の加工作業に入ってかれこれ数週間、これがけっこうしんどいんですよね。
生みの苦しみっていうんですか??
なんて泣き言はさておき、必ず形にしてみせますのでいましばらくお待ちください。
それはさておき、スリップマットの試行錯誤中に懐かしいスリップシートを発見。
スリップマットの下に敷いて滑りを良くするあの薄いやつです。
今は専用のシートが開発されて商品化されてますが、昔はみんな適当なビニール切って使ってたんじゃないでしょうか。
そんな時代にもちゃんとレコードサイズにカットされた、しかもタダで入手できるシートがあったんです。
このロゴ見てピンとくる方はいらっしゃるでしょうが、これがFirst Impressionsさんのショップ袋の一部で、ミシン目を切り取ることで出来る画期的なスリップシートだということを知らない方はひょっとしたら少なくないかもしれません。
自分のモノづくりのルーツを考えると、子供のころハマったLEGOだったり、田宮や京商のプラモデル、ラジコン、そして自転車などなどあるんですが、今やってる事に直結する出会いをひとつあげるなら、それはFirst Impressionsさんです。
ハタチ前後だったでしょうか。
ヒップホップ、R&Bも新譜から旧譜へと興味が移り、次第にSoulやJazzも買い始めたころで、Patrice RushenやRoy Ayersなんかをようやく覚えた程度でしたが、レコ屋にはよく通ってました。
大阪に住んでたマイメンがそのへんに詳しくて、当時大阪にはいいレコ屋がいっぱいありましたから、年に何度か遊びに行きがてらレコ屋めぐりもしていたんです。
中でもFirst Impressionsさんは別格で、レコードの品揃えはもちろん、フェイスやラック、グッズに至るまでオーナーさんのこだわりがにじみ出ており、行く度に衝撃を受けました。
レコードはなかなか手が出ないプライスの物が多くていつも2000円くらいのを一枚買って終わりでしたが、店内をくまなくほじくり返して、これはどうやってつくるのかと思い巡らせるのが楽しかったんだと思います。
店内に設置されたDJブースはターンテーブルやミキサー、スピーカーに至るまでニードルパンチというカーペット素材でコーティングされた美しいものでした。
ある日それがオーナーさんの自作だと知ってしまったボクはそのつくり方をど~~~~しても知りたくておそるおそる聞いてみたところ、それはそれは丁寧に解説してくれたのを今でもよく覚えています。
ニードルパンチってけっこう硬いんですが、これを角まできっちり貼るためにスクレーパーというヘラを使うといい、みたいな情報も親切に教えていただき、東京に戻って早速ホームセンターに走りましたよね。
そうして初めて作ったレコードボックスがこれ。
ブサイクですね~。
今だったら四隅をL字金具でとめるなんて絶対しないんですが。
First Impressionsさんと言えば今はレコードバッグを中心に製作されてますが、当時も既にオリジナルのバッグを販売されてましたし、ちょっとしたグッズも遊び心があって素敵でした。
レコード一枚一枚に用意された丁寧なテキストのほか、フリー冊子”Nice Break”なんてのもあって店でも帰りの電車でも勉強になると。
そしてこのサンプリングセンス。
こういうちょっとした仕掛けにも確実に影響されてます。
いつしかボクもオトナになり、日々思いついたモノを自分なりに形にしているわけですが、今あらためて思い返してみてもあの頃First Impressionsさんがやっていた事の完成度ってもの凄く高くて、いまだに足元にも及ばない。
90年代にあそこまでカタチにした人がいると思うと自分の存在意義すら危うくなってしまいそうですが、貴重な原体験として、また目標として、この記憶を大事にしたいと思ってます。
もちろんFirst Impressionsさんの今と今後にも注目しつつ。